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無気力だけど作家志望。 『すべては陰謀!!』,『無はなによりも面倒だ』,『LonEly』連載中。
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第一章 矛盾

 

人間ってやっぱ一番すごいんだって思う。

そんなこと今更、なんて思うけど。

この気持ちなんかもきっと人間じゃないと持つことのできない気持ちなんだと思えば、なんだか本当にすごい気

がする。

気がするというかそうなんだけど。

この複雑な気持ちが。

自分が驚くほどの複雑さ。

もうめちゃくちゃすぎてわけがわからないほど。

だから気を紛らわせるために私も他人と話したくなる。

でもやっぱ私にはそんなことできない…というかできないのが当たり前のようなもの。

んーなんていうか、こうやっていろいろ考えることも嫌。

私はただ洗濯物をみてぼんやりとしていたいだけなのに。

ふと時計をみると見やすくするためなのか、なんなのかよくわからない赤色の長針は残り3cmほどで6のとこ

ろ、30分になってしまう。

いや、なってくれる。

窓の桟から手を離し、手のひらについた型を見つめながら自分の席にぼんやり歩いて戻る。

「痛っ」

手のひらについた型を指でこすって消しながら歩いていると机の角にぶつかってしまった。

災難なことにその机の主はさっきの授業の板書をしていた。

確かさっきは理科だった。ノートには炭酸化ナトリウムと太文字で書かれてある。あぁやっぱり理科か。

いや、そんなことはどうでもいい。私が机の角に当たったせいで机は斜めに向き、色とりどりのマーカーのセッ

トは床に落ちてイスに座っている女子は周りの女子と一緒になってぼんやりしている私を鋭い視線で見つめ

る。

ごめん、という一言がでない。

もちろんこの人たちの性格上、こんな些細なことでもごめんの一言で許してくれそうにもないしどうせ無視され

て終わるのは目に見えている。

でもだからといって謝らないわけにもいけないし。無駄だってわかってることをするのも嫌だ。

これって変にプライドが高いってこと?謝るか謝らないかぐらいで悩む優柔不断な人ってこと?

ほら…またわけのわからない思いをめぐらせている。目の前の女子たちなんてもう私の存在を気にしてもい

ないのに。ほんと、無駄な気持ちばっかり。

一応適当にごめん、とだけいってすぐさま自分の席へと戻った。

机の角にあたったぐらいで……。

 

ほんと、バカみたい

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