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「まだわかんないの?あんた結構頭いいと思ってたのに。1000円くらいしか使ってないとする。でも、10000円
っていえばそれだけもらえるってことなの!!」
亮はさらにあきれた。もうどうでもいい、はやく帰りたい。
「詐欺だろ」
「いいのいいの!倍になるんだから」
いやいや、そういう問題じゃなくてさ。
「だからこのボロいぬいぐるみとっちゃえばいくらでももらえるようなもの!」
と瑠は目の前の安っぽい熊のぬいぐるみを指差した。
有名なあの黄色い熊だ。クリスマス限定らしい。
「普通、UFOキャッチャーごときに10000円も使うか」
「いいからいいから!はやくお金!」
「だからないんだってば」
亮はもう片方の後ろポケットから小銭入れを取り出すと中を見せた。
本当に45円しか入っていなかった。
「これで私があきらめて帰るとでも思ったの?」
亮はかなり嫌な予感がした。まさか…あのことを…こいつが知ってるのか?
「…ズーボーンの右ポケット!!なにが入ってるのかしら?お姉さんにいってごらんなさーいっ」
「なにって…なにも…」
「うそおっしゃい!!そこには1000円札が……」
「は、入ってねぇよ」
リョウの顔をみるとそれが嘘だとよくわかる。あきらかに目線をそらしているのだ。
しかもどこを見ているのかわからない。
「わーたーせっ!!」
そういってリュウはリョウの腰に抱きついてきた。リョウは一瞬驚いたがいつものことなので冷静にリュウの手を
ほどいた。
あぁ…もう…人がいるところですんなよな…。あきらかに俺達が姉弟だってのバレてるんだからさ。
「わかったよリュウ。ほら1000円」
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