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夕日の色、あれは星の色、あれは太陽の色。
エリは窓の外をみていた。
手を窓の桟に型をできるほど体重をかけておき、
身を乗りだしてまで見ていた。
私はちょうど学校の体育館の向かい側にある大きな
マンションの洗濯物をみて、それをなにかの色に
たとえるのが大好きだった。
今日は機嫌がいい。
だからたとえる物も美しいものばかりだ。
機嫌が悪いときなんて真っ赤なTシャツは血、白なんて全て白装束で黒は喪服。
そんな縁起の悪いものばかりを思いついては、その自分の陰湿さに嬉しくなってニヤニヤしている。
とにかく、私は洗濯物の色をなにかにたとえるのが大好きで、それを自分の特技だと思っている、もしくは思い
込んでいる。
そういうの、特技っていうのかはわかんないしね。
私と同じ特技を持っている人がいたら、今すぐ私に会いにきてほしい。
機嫌が悪いときにたとえるものが変わるという条件もつけて、もしこの世界にいるのなら会いにきてほしい。
もしかしたら、その人となら気が合うかもしれない。
私はここでは一番おかしい存在だから。
簡単にいえば、誰とも気が合わないしだからこそ友達がいない孤独な人でいられる。
1人は本当に楽だ。
真っ赤なTシャツが風に吹かれて体育館裏の杉の木へ飛ばされた。裏に書かれた「力」の文字。ただの無地の
Tシャツじゃなかったということがわかる。
もう一度風が吹かないと、きっと持ち主は二度とあの血の色のTシャツを着ることはないだろう。
そして私は気づいた。自分で言ってからやっと気づいた。…また、機嫌悪くなっている。
こうやってなら実感できる。少しでも自分が孤独だということを自覚していることによってほんの少しであっても
動揺しているということ。
きっとそこにグループで固まっている女子も廊下で大勢で走り回っている男子も孤独がいいって絶対に思って
いるはずなのに。
だって1人は楽だし、なにも気をつかわなくたっていいし…。
いやまぁ…もしかしたらこれは自然と孤独になった自分への言い訳なのしもしれないんだけどね。
「なんで私、1人なのにこんなめんどくさいこと考えなきゃいけないんだろう」
誰にもきかれないようそうつぶやいた。確かにせっかく1人になれたのだから余計なことを考えずに
生きていたい。
でもただ1つ、私あの孤独になった日から思っている。
みんなさ、友達とか友情とかいってるけどただ…
孤独だと周りの人に同情の目や哀れんだ目で見られる。
それがただ辛くて友達っぽい人と一緒にいるだけ。そのおまけに一緒にいることで楽しむだけ。
本当は1人でもいいんじゃない?
友達とか仲間って互いに利用し合っているよ。ほんと。
もちろん、全てはこの学校での話。本当の友達や仲間を持っている人は大勢いるだろう。
でもこの学校での友達って本当に友達なの?
もしこの私の考えに同感しちゃった人に友達っぽい人がいるのなら、それは本当の友達じゃないよ。
なんて断言してみせちゃったりするけど、こんな陰湿な私の考えだからね。
ちょっと…かっこいいこといってみただけだからさ。