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亮は右ポケットからくしゃくしゃの1000円札を取り出すとそれを瑠は満面の笑顔で奪い取った。
「ごめんねーリョウ。いつか返す!」
「二度と返ってこないだろうがな」
はっきりいうと俺は今かなり逃げたい。
毎度のことなのだが姉貴は人前で堂々と俺に抱きついてくるのだ。
そんなことするから俺は周りの目も気になるわけだし今でもひそひそと俺達の噂をしている声がきこえてくる。
こんなにうるさいゲームセンターなのになぜか俺達の噂だけはしっかりと耳に入ってきた。
「あれって兄弟なのよね?」
「あっちが姉で…弟かしら?」
「なら姉弟ね。それなのに…まぁ……」
兄弟だろうが姉弟だろうがそんなことはいいからそうやって俺達の噂をするのだけはやめてくれ……帰りたい。
だから本当に面倒なんだよな、すぐに姉弟だってわかるのは。
ただの兄弟だったのなら別にカップルだと思われていたかもしれない。
でも…そう…俺達は異性一卵性双生児。
いわゆる、双子なのである。
だから、顔がそっくりだ。
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